山本みわです。

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1月27日日曜日、
児童虐待防止全国ネットワークの第19回シンポジウムに参加してきました。@虎ノ門発明会館。
児童虐待防止…いわゆるオレンジリボン活動です。
「地域で取り組む子ども虐待の防止」と題し、基調講演と、3人のシンポジストによる事例・活動紹介がありました。
基調講演は、少し理論的な話でしたが、
シンポジストによる話はいろんな角度で参考になりました。
その中でも、特に共感した内容について少しまとめました。

せたがや子育てネット
こどもの城で働いていた代表の松田さんがご主人の転勤先などで乳幼児の親子の居場所づくりをはじめ、
2002年世田谷の地で子育て支援グループ「amigo」を立ち上げる。
その後、子育てグループや支援者のネットワークを法人化し「せたがや子育てネット」発足。
2010年からURと協働で、団地の一角にキッズスペース「ぶりっじ@roka」を開設。
目標は『団地内の立ち話を増やす!』

松田さんは周りの大人に
『近所に顔や名前のわかる赤ちゃんが何人いますか?』と問いかける。

⇒「あの子でしょ、○○ちゃんでしょ…」
      わかる赤ちゃんが10人以上いる大人を増やしていこう!という。

確かに知っている「あの子」の声は騒音にならないはず。
そして、子育てしている側も地域での子育てを支えられている実感につながるはず。

場所は場所としてあり続ける。。。ゆる〜くつながり、だれかとだれかをつないでいく。
できる人ができるだけ。
そして、自分たちで見守り育てるまちにつながっていく。

そんな松田さんたちの取り組みは、様々な力を生み出していきます。
その中で、『赤ちゃんとのふれあい授業』は
子どもたちへの学びの場と共に、子育てで自身を見失っている親自身にも、
赤ちゃんがいるだけで素晴らしいという、そしてそのこと自体が役に立つ実感と自信を得ることにつながっていくといいます。
(つくばでもそういう取り組みがありますね)

『つながり』が、「虐待防止」へと。


森と風のがっこう

NPO岩手子ども環境研究所理事長&森と風のがっこう校長の吉成信夫氏。
CIコンサルが、異例の抜擢?で、宮沢賢治生誕百周年に湧いた最中に岩手の小さな町に持ち上がった「石と賢治のミュージアム」構想に引っ張られる。いわゆる『ハコモノ』公共事業を町の、県の要と変えた男。
それだけでも、十分興味津々ですが、
畑違いの、福祉を知らない吉成氏が、
岩手県全県160の児童館を統括するの県立児童館の館長に!

健全育成って何?
なんで遊びが子どもの生育に大切なの?
子育て支援ってなに?

そんな吉成氏が元々の感性で、豊かな子育ちと、地域支援のため、
全県的な人材育成の網を築き上げていく。

『あそぶようにまなぶ、まなぶようにあそぶ』

2002年当時、岩手県が58億という巨費を投入してつくった典型的なハコモノ施設。
吉成氏は「サティアン」(死語)と呼ぶ。
この岩手子どもの森(児童館)を開館準備段階で「子どものアジール」として規定し直し、
公共施設改革を成し遂げる。

是非、下記の著書をお読みください。


ハコモノは変えられる!―子どものための公共施設改革ハコモノは変えられる!―子どものための公共施設改革
著者:吉成 信夫
販売元:学文社
(2011-01)
販売元:Amazon.co.jp


そして、なぜ今回の児童虐待防止につながるかというと、
「児童館は文科省の管轄ではない」ということがカギだと吉成氏はいう。
0歳から18歳まですべての子どもが対象の施設であり、すき間があるからやりやすいと。
児童相談所より敷居が低く、(まるで違うといったほうがいいかもしれません)
児童館に、児童虐待防止と予防のための最前線拠点としての再定義をすることが可能だと。

その事例として、
北海道の中標津町が、児童虐待防止施設に格上げした取り組みがあるそうです。
中標津町 子育て支援HP

是非、近々、岩手の「森と風の学校」を訪問しようと思います。